おくすりぷれい



「はい、できましたよ」
「うん、ありがとう薫子さん」

 ははは、あの小生意気なミキオ坊ちゃんが、こんなに素直なお嬢様になるなんてね。さすが若葉のお薬だ。

 この調子で旦那様も…ふふふ、どう変えてやろうかしら。
 まあゆっくりと考えましょう。
 まだ計画は始まったばかりなのだから。

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 私、木原若葉は薬屋をやっている。
 といっても、風邪薬や頭痛薬といった普通の薬を売っているわけではない。
 非合法なお薬でもない。ああいうの嫌いだし。
 私が扱っているのは、秘薬とか魔法薬とか…まあようするに『非現実的な薬』である。

 そんな薬の中で、現在私が気に入っているのが『性転換薬』だ。
 私の友人である双葉が作ったこの薬は、飲んだ人の性別を変換させる効果がある。
 実際、私の妹となったリメイも、元々は利明という少年だ。(利明の家族への対応が大変だったけど、結果として双葉の実験台が増えた。いいことだ)

 この薬の需要は多い。
 どこぞの金持ちが道楽で買っていくこともあるし、自分の性に悩む人が買っていくこともある。
 おかげで最近は懐に余裕が出てきた。
 …まあ余裕があっても、大体リメイの服代になるんだけど。

 なんにせよ、儲けがあることはいいことだ。
 双葉に渡せるお金も増えた。双葉はそれを研究費用に、新しい薬を作っているらしい。
 今度はどんな薬を作ってくるのかねぇ。楽しみだ。


「お姉ちゃん、電話だよ」

 店の奥でのんびりしていたら、リメイが電話の子機を持ってきた。
 いつ見ても可愛い。特に最近は、喋り方や仕草もより女の子らしくなった。

「誰から?」
「知らない人。カオルコ、って名乗ってたよ」

 …聞き覚えがあるようなないような名前だ。
 まあ、出てみればわかるか。

「はい、お電話かわりました。木原です」
「あ、若葉?薫子だけど…覚えてる?」
「ごめん、おぼえてない」
「…だと思ったよ。ほら、高校で同じクラスだったでしょう」

 …高校時代の同級生?カオルコなんて名前の人いたっけ?
 ああ、そうか。委員長だ。
 名前で呼んだ事ないから忘れてた。

「…久しぶり、委員長」
「懐かしいね、その呼び方」
「今何をしてるの?」
「メイド」
「…喫茶店?」
「ううん、お屋敷で」

 本物!?凄いな、おい。
 しかしなんでまたそんな職に付いたのだろうか。
 委員長の頭ならどこにでも行けただろうに。

「色々あってね。まあ、それはいいじゃない」
「…いいの?」
「いいの。それに、世間話をするために電話したわけじゃないしね」
「何か薬でも欲しいの?言っておくけど、白い粉とかは扱ってないよ?」
「白い粉はいらないわね。欲しいのは別の薬…そうねえ」

 一呼吸置いて、委員長は言った。

「無能な夫と息子に困っている、私の雇用主の悩みを解消できる薬がほしいかな」

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 薬を飲ませるのは簡単。食事に混ぜれば、疑いもせずに飲んじゃうんだから。
 さて、まずはミキオ坊ちゃんから。男だという自我から壊していきましょうか。

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 目が覚めたのに、俺の視界は真っ暗。どうやら目隠しをされているらしい。
 体が外気に触れている。どうやら裸のようだ。
 手足をロープのようなもので吊るされ、壁に貼り付けられているようだ。
 声を出して助けを予防としたが、猿轡を噛まされていて唸り声しか出せない。
 背中に普段と違う感触がする。…これ、髪か?…どうなってんだよ。

「おはようございます、ミキさま♪」

 オフクロの雇っているメイド、薫子の声がした。
 顔は美人で、仕事も出来るが、俺はこいつが嫌いだ。なんか信用できない。
 まあオフクロのメイドだから、俺が関わる事なんてあんまりない…はずだったんだが。
 というかこいつ、今なんていった?
 俺の名前はミキオだぞ?

「ふふ、綺麗な身体ですね」

 そう言いながら、薫子は俺の胸に触れる。
 !?
 な、何だ今の!?
 触られたのはわかった。でも、胸から伝わってくる感触は、いつもと全然違った。

「おっきい…素敵ですわミキさま…」

 何言ってんだよこいつ…。
 薫子は、俺が抵抗できないのをいい事に胸を触って…いや、これ揉んでる!俺の胸、揉まれてる!?
 なんだよ、男の胸を揉んで…どうす…ぅ…ぁ…あれ?な、なんか変な気分。
 胸から伝わってくるよくわからない感覚が、だんだん頭を侵食していくような。

「ミキさまのおっぱい、柔らかくて、暖かい♪」

 …おっぱい!?な、なんで男の俺におっぱいが!?
 本当かよ…って、目隠しされてるから確認できない!

「それに…こっちも綺麗…」

 今度は股間に触れてきた。
 まるで、股を直接撫で回すかのように。俺の、息子なんて、存在しないかのように。
 そして、触られるたびに襲ってくる未知の感覚。そのたびに声が出そうになる。猿轡のおかげでうめき声にしか聞こえないが。

 …さすがに、自分のおかれている状況が把握できてきた。
 だが、そんなことがありえるのだろうか。到底信じられない。

「それでは、そろそろ目隠しは外しましょうか」

 そっと目隠しを外された。
 目の前には薫子がいた。怪しい微笑をたたえている。不快だ。
 薫子は、俺の目が見えていることを確認すると、

「では、ご覧下さいませ、ミキさま」

 俺の視界から外れた。
 すると、先ほどまで薫子の後ろに置かれていたモノが目に入る。
 鏡だ。
 その鏡に映るのは…猿轡をされ、鎖で壁に貼り付けられている―裸の女だった。

 …信じられなかった。
 目の前にあるものは実はモニターで、俺と同じポーズを取らせた女を移しているんだと思いたかった。
 だが、胸元に視線をおろせば、確かに確認できる普通の男にはない膨らみ。…結構大きいな。
 身体を動かし、股間を直接見れば―本来そこにあるべき男の象徴はなく、うっすらと生えた毛に隠された丘があるだけ。
 鏡と見比べ、今の自分の姿を確認する。
 腰は細く、なで肩で、ほっそりとした腕と脚、腰まである長い髪。
 そして、大きな瞳で見つめ返す顔は、どう見ても男とは違うものだった。

「いががです、ミキさま?ご自分の姿は魅力的ですか?」

 …だから何だよそのミキさまというのは!
 薫子を睨みつける。だが、薫子は平然と微笑み返してくる。

「可愛い顔が台無しですよ?…あ、ミキさまに奥様から伝言がありましたわ」

 オフクロから…?
 ああ、そうか。こいつはオフクロのメイドだった。なら、この事態はオフクロの差し金に決まっている。

「では、お伝えします…『ミキオなんて愚かな息子は存在しませんわ。
 いるのはミキというとても素直で可愛い娘と、その妹だけ』だそうですよ」

 …何言ってやがるあのクソババア!誰が愚かだ!

「ふむ…愚かとははっきり言いますね奥様も。
 まあ…働きもせず、家の金を食い潰して遊び歩いて、雇っているメイドを伽と称して食っちまうような子供は認めたくないですよね、そりゃ」

 …はあ?それの何が悪いってんだよ。
 俺が働かなくたって充分やっていける金があるじゃねーか。
 それに伽はメイドの仕事だろ!親父やオフクロが主人かもしれないが、その跡を告ぐ俺に使えて当然じゃねーか!
 第一、女は俺に抱かれるのが幸せなんだ!黙って俺に抱かれて腰振っていればいいんだよ!

「…不満そうですねぇ。ま、何を考えているかは大体わかりますが」

 そう言って、薫子は部屋の扉を開いた。

「それでは、今からミキさまの為のパーティーを始めましょう。
 題して『さらば愚かなるミキオ!こんにちは親愛なるミキさま♪』というところでしょうか」

 ああそうですか俺はそんなに愚かですか。親父に言ってクビにしてやる、このクソ女。

「入ってらっしゃい、子猫ちゃん達」

 薫子の呼びかけに、数人のメイドが部屋に入ってきた。
 …あれは俺が犯ったメイドじゃねーか。なんだ、逆恨みにでも来たのか?

「それでは、今からミキさまに『女』になってもらいましょうか」

 もうなってるだろ。なんなんだよもう。ホントもう勘弁してくれ。
 まだ、この時までは俺には精神的に余裕があった。身体は女になっているようだが、その実感は薫子が触った時にしかなかったのだから。
 だが、薫子以外のメイドたちが一斉にスカートをめくった時、俺が何をされるのか本能的に理解してしまった。

「どうせ貴方は『女は犯されれば幸せ』とか思っているでしょうから、その幸せを差し上げようかと思いまして」

 メイドたちの股間には、本来ありえない部位―男のアレがあった。

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「もしもし、双葉?」
「あ、わーちゃんどうしたの?」
「この間あんたが寄越した『両性薬』のデータについて確認したいんだけど…」
「ん?なんか変なのあった?」
「変っていうより確認。こんな面白いこと本当にあったのかって」
「ああ、確かに面白かったねアレは」
「女性が飲めば男性器が生え、男性が飲めば女性器が開く…ここまでは普通なのよね」
「それもとんでもない現象だけどね。良や成分をうまく調整すれば男が妊娠したりもできるし、竿だけにして妊娠の心配なく楽しむこともできるしね」
「でも、もし飲んだのが『性転換薬』で性転換した男女だったら…」
「ああ、あれはなかなか楽しかったよ。しかも思わぬ副作用まで付いてきて、一石二鳥だね…一時的だけど」
「…で、アレは事実なの?」
「うん、事実。書いてあるとおりだよ」
「そうか…『性転換薬』を飲んだ人が飲むと…」
「愉快でしょ?」
「愉快ね」

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 若葉から貰ったお薬は、『性転換薬』『両性薬』『催眠薬』の3つ。
 この全てを使い、ミキオ坊ちゃんを、ミキさまに変えてあげる。
 素直で可愛くて、とっても従順な娘にね。

 だって、それがミキオ坊ちゃんにとっての女の子なんでしょう?

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 …どれだけの時間が経っただろうか。
 メイドたちは、俺の体を休むことなく犯し続けた。
 胸は激しく揉まれ、手は無理矢理竿を握らされ、膣内だけでなく、肛門や口、髪の中までも射精された。
 口の中に入れられたときは噛み切ってやろうかと思ったが、薫子の「噛んだら駄目よ♪」という一言で、何故かその気が失せてしまった。/なんで噛もうと思ったんだろう?

 何故か薫子に逆らえない。/薫子さんには逆らいません。
 薫子が「手で奉仕しなさい」と言ったら、何故かそうしなければいけないと感じてしまう。/奉仕しないと…怒られちゃう…。
 口に出された精子を吐き出そうとした時には、「飲みなさい、おいしいわよ♪」と言われた。/おいしかった。もっと飲みたいわ。
 さらには、「胸も使いたいんでしょう?お願いしてみたら?」と言われ、パイズリをさせて貰っていた。/お願いするの、恥かしかった…。上手に出来たかな?

 ああ…悔しい!/ああ…嬉しいわ!
 男の俺が、女として犯されるなんて…!/こんなにえっちなこと、たくさんやらせてくれるなんて…!
 犯されるということが…こんなに悔しいなんて…!/犯されてるのに…嬉しいなんて…!
 俺…このままだとおかしくなっちまう…。/おかしいのかな…ワタシ…。
 誰か、誰か助けてくれよ!/誰か、誰かワタシにえっちなことしてよぅ!
 俺を、自由にしてくれ!/ワタシを、自由にしていいのよ!

 俺を犯さないでくれ!/ワタシを犯してください!

 少しずつ、自分自身が変わってきている事に気付くことはなかった。

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 最初は抵抗しようとしていたミキさまも、今では自分から進んで奉仕している。
 うまくいってるわね。

 何をしたのかといえば、予め『催眠薬』で『女の子としての人格』を作っておいた。
 ミキオ坊ちゃんがいう、『犯されるのが幸せ』と思う女の子の人格をね。
 で、私がミキさまに何かを言うたびに、少しずつその人格に書き換わっていくって訳。
 ミキオ坊ちゃんもそろそろ理解したでしょうね。「犯される」ということがどんなに屈辱的か。
 …まあ、その屈辱すら幸せに書き換わってるだろうけど。

 では、そろそろ次の段階へ映りましょうか。

 ここまでのは変化したという事実を身体に教え込むこと。
 人格の書き換えはこの次に行う『ゲーム』の下準備。
 この『ゲーム』で、ミキオ坊ちゃまを絶望の淵に叩き込むのだ。

 メイドたちを一旦下がらせる。

「それではミキさま、この薬を飲んでね♪」

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 見るからに怪しい薬だった。/とってもおいしそうなお薬だった。
 誰が飲むかそんなもの!/飲みたいな…飲まなきゃ!

「…はい!」

 なんだよこの返事…!/うん、お返事は元気にね!
 薬を一気に飲み干す。
 …まずい。/…おいしくないよぅ。

「…ぁん!」

 下半身が疼く。手で押さえてみると、少しずつ何かが盛り上がってきた。

「こ、これぇ…」

 息子が、息子が帰ってきたぁ!/わぁ…おちんちんだぁ!

「はい、ルールを説明します」

 ルール?

「ミキさまは今、いわゆるふたなりの状態です」

 …そういや、身体自体はそのままだ。

「今からミキさまには、その状態でオナニーをしてもらいます。男の方と女の方、どちらでも好きな方を使ってくださいね。
 ここからが重要ですよ?テストに出ますからちゃんと聞いてくださいね?」

 テストってなんだよ。/テストに出るならちゃんと覚えないと…。

「その状態でイくと、イった方の性器は消滅してしまいます。そしてもう二度とその性器を得ることはできません。
 例えば男の方を使って射精しちゃったら、仮に男に戻したとしても、男のモノの代わりに女の子のアレがついてる状態のまま。
 もちろん、女の子の方を使ってイったら、女の子のアレは消えちゃって、おちんちんが帰ってくることになります。
 そうなったら、男に戻してあげてもよろしいですよ」

 …なんだよそりゃ。何でそんな意味のわからないことをする?
 だが、男に戻れるチャンスがあるのはありがたい。
 女のオナニーをして、男に戻ってやる!/おちんちんの感覚ってどんなだろう?興味あるなぁ…。

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「『性転換薬』を飲んだ人が飲むと、使った方の性器と「逆の方の」性器が消滅。しかももう一度『性転換薬』を飲んでも、その性器を取り戻すことは出来ないのね?」
「愉快でしょ?」
「愉快ね。あの『嘘吐き委員長』がこれをどう扱うか…楽しみねぇ?」
「嘘吐き?…ああ、薫子ちゃんか」
「可愛い顔して、目的の為なら手段は問わないからねぇ。嘘吐きなんてあだ名じゃ可愛いものよ。何でメイドなんてやってだか」
「お屋敷を乗っ取るとか?」
「…それ、多分正解だ」

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 自ら割れ目をなぞり、陰核を弄る。/やだやだ!ワタシのアソコとらないで!
 少しでも気を抜くと、おちんちんをしごきたくなっちゃう。/おちんちん、使わせてよぅ!
 駄目だ!気をしっかり持って、男に戻りたいんだろ!/女の子の方がいいの!

 心の中で、男であろうとする気持ちと、女になりたいと思う気持ちがぶつかり合う。
 今は男であろうとする気持ちが勝っているが…このままだとまずい。
 俺は、俺は女になんかなりたくないのに!/男になんかなりたくないの!

「つらそうねぇ…手伝ってあげましょう」

 いつの間にか、薫子が裸で立っていた。
 そして、手に持っていた薬を飲むと、俺に近づいてきた。

「さっきまでは女の子が相手だけど…」

 少しずつ、薫子の姿が大きくなってくる。
 柔らかそうな身体から丸みがなくなっていき、筋肉質の肉体へと変化する。
 大きい乳房が空気の抜けた風船のように小さくなっていき、逞しい胸板が現れる。
 そして股間には、大きなペニスが生えてくる。

「私は男として相手してあげる」

 先ほどまでとは違う、低くてカッコいい声。
 大きく勃起したおちんちんもおいしそう…。
 ああ薫子さん、素敵…って待て!
 俺は男だぞ!男に抱かれそうなんだぞ!
 嫌だ!ふたなり相手ならまだ我慢できるけど、男相手なんてやだ!

「…ミキさま、可愛い」

 そう言いながら、薫子は俺にキスしてくる。
 強引に舌をねじ込んで、無理矢理俺の舌に絡めてくる。
 やだ、やめてくれ!男の、男の舌なんて…!
 やめてよぅ…上手すぎるよ薫子さん…キスだけで…こんなに…。

 男になった薫子を見るとドキドキする。
 薫子さんにキスしてもらうと…気持ちいい。
 男でいたいと思う心がだんだんと弱くなってきている気がする。
 さっきまでは男でいたいと思う気持ちと、女になりたいと思う気持ちがはっきり分かれているような感じだった。
 でも今は、その境界があやふやで…段々とどうでもよくなってくる。

 …どうでもいいや、そんなこと。
 早ク目ノ前ノおちんちんガ…欲シイノ。

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 ふふ、女の子として抱いてあげる。
 身体に女としての快感を刻んであげる。
 私の手で、直接『女』にしてあげる。

 女の子としてイって…おちんちんとお別れしなさい。

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「ひゃ、ああぁ、気持ちイイ、イイよぅ!」

 薫子さんが下から突き上げてくるたび込み上げてくる快楽の波に、ワタシはすっかり溺れていた。
 薫子さんは優しく抱いてくれる。
 キスをしてくれる。胸を揉んでくれる。おちんちんで気持ちよくしてくれる。
 メイドさんたちが乱暴に犯してくれた時とは違う、優しくて温かい感じが心地よい。
 その心地よさが女と抱かれることに対して抵抗を感じさせないみたい。
 ああ、こんな気持ちいい事して男に戻れるなら…今女の子として抱かれるのも…。
 やだ!こんな気持ちいい事二度と出来なくなるのやだよ!
 このままイっちゃったら、男に戻っちゃう!
 ワタシは自分のおちんちんに手を伸ばす。
 だけど。

「おちんちん弄っちゃ、駄目」
「な、なん…ゃあ!」
「一度こっちを使うって決めたんだから…最後までやっちゃいましょう♪」
「い、いやぁ!お、男に戻るの、やなのぉ!」
「ふふ…大丈夫…さあ、そろそろ終わりにしましょう?」
「やぁ!いやぁ!ぁぁ!ああぁぁぁぁぁ―――――!」

 …イっちゃった。
 これで…女の子じゃなくなって…男に戻れるんだ!

 男であることの証明である俺の息子が、天を突くように高々と勃って…いない。
 先ほどまでの元気はどこへやら、すっかり萎えきった我が息子…あれ?なんかだんだん…小さくなってる?
 え!?なんで!?俺のチンコが…!
 『女のアレを使って、女として』イったのに…?
 …ちょっと待て。何かおかしい。
 『女として』イったのに…『女として』…!?

「さてここで問題。何が起こっているのでしょう?」

 いつの間にか女に戻っている薫子が、ニヤニヤ笑っている。
 まさか…!

「はい、答えに気付きましたね。私は嘘をついていました。
 実際は、『おちんちんを使っていれば』男に戻れましたとさ♪」
「…騙したな!」
「あら人聞きの悪い。普通に考えれば、女としてイったのに、男に戻れるなんておかしいでしょう?それに…女のほうを使ってするのを選んだのは、他ならぬミキさま自身ですわ」
「それは…戻れると思ったから…!」
「そうかしら。しているとき、『男に戻るのはいや』って言いましたよね」
「…!?」
「本心でないと?そんな事ありませんよね?」

 違う、俺は…おれは…

「いいえ、あなたは女の子を選んだんですよ、ミキさま」

 おれ…ワタシは…わたしは…

「認めてしまいなさい。そうすれば、楽になれるわ」

 わたしは…わたしは…おんなに…おんなのこに…女の子になれた…

「わたしは…女の子を…選んだの…?」
「はい、そうです」
「そうなんだ…」

 ああ、きっとそうなんだ。
 わたしは、自分の意思で女の子を選んだんだ。
 …そうだよね?

「ようこそ『女の世界』へ。みんな、ミキさまを歓迎してあげましょう?」

 いつの間にかおちんちんがなくなっちゃったメイドさんたちが、わたしの周りに集まってくる。
 手に持っているのは、ブラにショーツに…たくさんのお洋服。

「さあ、ミキさまの『初めての』お着替え、手伝ってあげなさい」

「まずは軽く…『ブラウスとスカート』です!」

 メイドさんの一人が言いました。
 うん、スカートは恥かしいけど…これくらいなら…。
 着替えの時、胸を揉まれたり、お尻を触られたりしたけど、何とか着替えられました。

「うん、似合う似合う」

 着替え終わったわたしを見て薫子さんが言いました。
 …ちょっと嬉しいかも。

「続いて、定番の『セーラー服』ですね♪」

 …何の定番?
 スカーフがちょっと大変だったけど、メイドさんに手伝ってもらいながら無事に着替えました。

「ああ、いいねぇ」
「はい!次は『体操服とブルマ』で!絶対萌えますから!」

 ええ!?それは恥かしいよぅ…。(ていうか、萌えって何?)
 …まあわたしが拒否しようと着替えは続くんですが。

「私はスパッツの方が…」

 何言ってんだ薫子さん。

「次は『水着』ですよ〜」

 …何でそんなのに着替える必要が?
 もしかしてわたし、遊ばれてる?うぅ〜恥かしい…。

「ああ、いいねぇ。次はビキニとかもよさそうだ」
「いえ、次は『巫女』ですわ」

 …どこから用意したの、これ?生地もしっかりしているし…。
 さっきより露出は下がったけど、これはこれで…。

「…私も着てみたいな」

 ホントに何言ってんですか薫子さん。
 その後、テニスウェア、浴衣に着替えさせられました。
 女の子らしい服装は恥かしいけど、鏡に映った自分には、とても似合っていて複雑な気分。

「最後は、『これ』ね」

 薫子さんが白い衣装を持ってきた。
 そしてゆっくりと浴衣を脱がしてくる。

「…それは?」
「女の子の夢、ってところかしら。目隠しするわよ」

 …何で目隠し?よくわからないなぁ。
 目隠しされている間も、淡々と着替えさせられる。
 わたしは、薫子さんに身を委ねている。
 こういうの、なんかいいなぁ…。

「はい、出来たわ。…さあ、鏡を見て御覧なさい」
「わぁ…」

 目に映るのは純白のドレス。
 ああ、確かに女の子の夢だ。恥かしい…。
 でも…わたしは、女の子なんだ。
 いつかこれを着て、男の人と…。
 いやそれよりも…。

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 あらあら、すっかり女の子になっちゃって。
 こうして、ミキさまは女の子としての第一歩を歩みだしましたとさ。

 次は旦那様。
 旦那様を墜とすのには、ミキさまも手伝ってもらおうかな…。

 いつもの様に髪を梳かし終え、ミキさまの姿を確認する。
 …え?なんで頬染めてるの?なんで上目遣いでこっち見てるの?なんで服脱ぎだしてるの?
 ちょ、落ち着けミキさま!ミキさまってばぁ!

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「…で、薫子ちゃんはその後どうなったの?」
「さあ?最近連絡が来ないからわからな…あ、ちょっと待ってね」
「どうしたのケータイなんか取り出して。誰かから電話あったの?」
「そう。マナーモードにしたままだったよ…ああ、噂の張本人からだ」
Pi
『助けて若葉!』
「いきなりどうしたのよ」
『ミキさまが、ミキさまがぁ…あ!』
『あ、わたしを女の子にしたお薬屋さん?』
「ええ、多分そうですね」
『ありがとう!わたし、女の子になれて幸せです!』
『ミ、ミキさま!電話返してください!』
「それはそれは」
『で、相談なんですが…薫子さんにもっと抱かれたいんですけど…』
『何言ってんですかあんたはー!』
「それなら報酬次第で何とかしますが…」
『お前も普通に受けるなー!』
『薫子さんが出した金額の倍払います』
「はい。後ほどこちらの口座を連絡いたしますので、入金を確認次第賞品を発送致します」
『ありがとう』
『裏切り者ー!!』
「当方はお薬をより高く買ってくださる方に、優先的にお取引させていただいております…まあ、頑張ってね」
Pi
「鬼だね」
「こっちも生活かかってますから」







おくすり第二弾。
最初は旦那様達の変化も書いていましたが、ダラダラ長いだけなので大幅にカット。結末も変更しました。
シンプルが一番です。


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