まほうにっき



清彦の日記:3月4日

今日、姉さんと買い物に出かけた。
仕事で使う資料本の買出しらしいが、俺にはどうみても古本をあさっているようにしか見えなかった。
30冊ほど買っていたが、家計に響かないだろうか。
特に最後の一冊。
古本屋が「これは本物の魔術書だ」とか言っていた気がする。
…まあ姉さんは満足そうだから別にいいんだが。
もう二度とあの本屋には行かない。
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仕事用、という名目で古くてレアな本を集めてみた。幸せ。
小説家としてデビューして早数年。
いつもは二人分の生活費をまかなうのがやっとだったけど、今回は割と評判がよかったみたい。
おかげで久しぶりに趣味への投資ができる。
ありがとう読者さん。マジ愛してる。
特に最後の本は凄い。
店員曰く「本物の魔術書」だとか。思わず頭大丈夫?って言いそうになったけど、彼の目は本気だったね。
面白そうだったから買ってみた。
10万円とか寝言言ってたけど、値切って1500円
で買った。凄いぞ、私。

今読んでいるんだけど、面白いものだ。
『この本の魔法を使えば何でもできる』とのこと。
特に条件とかリスクとかそういうのはないらしい。
下手な小説でももっと面白いこと書くって。
嘘でも『悪魔に魂を売り渡す』くらい書いてほしいものだ。
でも別に書いてある事が嘘でも困るわけでもないので(むしろネタになるし)、清彦が寝ているうちに『清彦が女の子になる』ように魔法をかけてみる。

結果は明日の朝のお楽しみ〜♪


清彦の日記:3月5日

あ…ありのまま 今朝 起こった事を書くぜ!

『俺は朝起きたら女になっていた』

…心当たりは昨日の魔術書。
ねえさんに聞いてみたら「妹がほしかった」そうだ。
俺の人権は無視か。

元に戻してくれる気はあるらしいので、しばらく楽しんでみようと思う。
姉さんも俺で楽しむ気らしい。
…まあしばらく付き合って、満足してもらおう。

そういえば、女ってどういう風に感じるんだろう…
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いや、私もまさか本物の魔術書だとは思わなかったわけで。(だからこそあそこまで値切ったんだけど)
清彦が女の子になっていました。

うん、素晴らしい。
なかなか可愛くなっているじゃないか。

(最初の画像)

「実は弟より妹の方がほしかった」
って言ったら、呆れられた。そこは怒ろうよ、弟。あ、今は妹か。

流石に可哀想なので2、3日したら戻してやろうと思う。
…じっくり楽しんでから。視覚的にも、肉体的にも。

とりあえず今晩は清彦の部屋から漏れる声を堪能してみた。
喘ぎ方が初々しくてよかった。


清彦の日記:3月6日

自前の服を着ようとしたが、だぶだぶで動きにくい。

姉さんに相談したら、女物を着せられた。

俺の馬鹿!普通、こういう結果になるって考えればわかるだろ!

しかもスカートを穿かされる。屈辱だ。
男として大切な何かを失った気がする。
いや、女物の下着の時点でそう感じてたけど、そっちは体型的に男物は無理だから、と諦めたからまだいい。全然よくないけど、いい。
でも、スカートはないだろ、スカートは。
別にジーンズでもいいじゃないか。

文句言ってたら、「男でも民族衣装でスカート穿くところがあるよ?」と姉さんが言った。
そりゃまた別の問題だろと思った。

むしゃくしゃしたので今夜も楽しむことにする。
…病み付きにならなきゃいいけど
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清彦が「だぶだぶで困る」と言ってきたので、私の服を貸してみる。

うん、似合っている。
漫画だと『女の子になった男が女性よりスタイルいい』というのはよくあるけど、清彦と私は大体同じ体型だったらしい。
ちなみに、下着は私の一番のお気に入りを貸した。似合うから。
清彦の下着姿は、私の心の中だけで永久保存されるのだ。羨ましかろう、はっはっは。

スカートに抵抗を見せたが、交渉の末、小遣い1000円アップと引き換えにスカートで押し通す。
てか弟よ、1000円でいいのかお前のプライドは。我が弟ながら不安になる。今は妹だけど。

制服とか着せてみたいものだ。
そういえば押入れの奥に昔着てたの入れてあったね。あとで出しておこう。

夜は昨日より激しかった。
こっちまで興奮してしまい、思わず部屋に乗り込んで押し倒しそうになったが、自重。
これは戻す約束の日まで御預け。
最後に押し倒して、ずっと女の子でいたくなるようにさせる作戦なのだ。
我ながら策士だなぁ。

とりあえず今夜は自分で…。


清彦の日記:3月7日

今日は姉が昔着てた制服を着せられた。

いわゆるセーラー服だった。
スカートに対する抵抗は昨日で大分減ったものの、上着を着るのは恥かしかった。

普通に着たらおヘソが外気に触れている状態。
更に恥かしいわ。

セーラー服は俺にくれるらしい。
待て、姉よ。
明日は戻してもらう予定日だったはず。

そう言ったら「戻す前にそれ着て一緒に出かけよう」と言われた。
…何を考えているんだか。

でもなんだか楽しそうな気もしたので、その提案を受け入れる。

じゃあ今夜はこれを着たまま…じゃ、汚れちゃうか…。
昨日の服を着た状態で楽しもうか。
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セーラー服はいい。
日本人の作り出した文化の極みだよ。

これがアメリカだったら「水兵と変わらない」と、何の感動もないだろうね。
やっぱ着て恥かしがってもらわないと。

清彦も少しづつ女の子に慣れてきた模様。
本人は気付いていないが、しぐさがちょっとづつ女の子っぽく見えてきた。
とはいえ言葉遣いは男だし、性格自体は変わっていないから錯覚かもしれないけど。

今日は魔術書を調べてみる。
なんでもできるなら、他にも使える魔法があるはず。

今はまだ理解できないページが多い。
恐らく魔法を使うにもある程度の慣れが必要なのだろう。
要するに、まだ私のレベルが低い、ということか。
…まあこの程度じゃ「リスクや条件はない」ということには変わりあるまい。
そのうち自由に使えるようになるんだから。

とりあえずめぼしい魔法をいくつか覚えた。
『相手の思考を少しだけ変える』
『相手の常識を少しだけ変える』
『相手の肉体を少しだけ変える』
『相手の心を読む』

清彦に使った『男を女の子にする』魔法と同じくらいの難易度らしい。
誰かに試してみたいところだが…。

とりあえず『清彦の思考を少しだけ変え』て、女言葉で喋るようにしてみる。
これで明日出かけたときに、不審に思われることはあるまい。

後は誰か別の実験台を探そう。
誰がいいかな…。

今夜は私の服を着てしたらしい。
返してもらったら、私もその服を着てしよう。

…私も随分と変態だなぁ。知ってたけど。


清彦の日記:3月8日

この体での生活も慣れてきました。
姉さんが言うには「女らしくなった」ということですが、そうなのでしょうか?
だとしたら、嬉しい…って何を考えている、わたし!

…でもなんだか朝から変でした。
昨日までは男言葉で話すことに何の抵抗もありませんでしたが、今は女言葉で話さないと不安になります。
何故でしょう?

それに…今日、元に戻れるというのに、嬉しくありません。
このまま女の子のままでいたい、そう考えるようになっていました。

…まあそれはさておき。
約束通り姉さんと出かけにいきました。
女子の制服で街を歩くのは少し恥かしかったけど…何故か楽しくも感じていました。

姉さんと一緒に女物の服を見る。
姉さんと一緒に甘い物を食べる。
姉さんと一緒に…。
特に変わったことでもないのに、とてもどきどきしました。
何故でしょう?

ああ、きっとわたしは女の子になりたいんだ。

この後、姉さんの部屋に行き、戻してもらうことになっています。
でも、多分わたしは戻らないと思います。

さようなら、昨日までの自分。

そういえば、昼間の記憶が少し曖昧なところがあるのですが、何故でしょう?
そして、何故わたしは途中で着替えていたのでしょうか。
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ちょっとつまんないなぁ。
言葉遣い変えただけなのに、一気に女の子らしくなっちゃったよ。

だ が そ れ も い い。

たった4日でこんなに素敵な妹ができた。これは素晴らしいことだ。

それに、今日はいい拾い物もした。
…まあこれについては後回し。

清彦が部屋にやってきた。
何か言いたそうにしていたところを押し倒す。
驚いた顔をしている。

その隙に唇を奪う。
自慢にしたくもないが、女の子を感じさせるテクニックはあるつもりだ。
…いや、女子高だったのよ、昔。あるところにはあるのよ、漫画みたいに女の子同士の恋愛が日常茶飯の学校が。
…私の中じゃ黒歴史なんだけどね、それ。
こういう風に役立ってくれるなら、あの経験も悪くはない…と言い切れないなぁ。

…どうもこの魔法を手に入れてから、私の嗜好はおかしくなってしまったらしい。
『妹』が欲しくて使った『女の子にする』魔法。
でも、この行為は姉妹でするものではない。

…ああ、でも今幸せだからいいや。
私自身も、清彦も。

―こうして清彦は消え、私の妹「樹代」が誕生した。


○○の日記:3月7日

今日から日記をつけようと思う。

…といっても、朝起きて街に行ったあたりからの記憶が曖昧だ。

…ボク、まだボケる年じゃないのになぁ。

それにしても、この小っちゃい胸、大きくならないかなぁ。
背も低いけど、胸も小っちゃい。
こんなんじゃ、先輩に告白しても相手にされないよね…。
毎晩揉んでいるのにな、こんな風に…あれ?
ボク、どんな風に揉んでたんだっけ?

と、隣の部屋からお姉ちゃんたちの声が聞こえた。
…なんなんだろう、あの声。

ボクニハ『マダ』ワカラナイ。
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…ああ、拾い物の事を忘れてた。

街を歩いている時、清彦と少しはぐれてしまった。
たった一人の家族だ。
清彦だけは手放さない。
清彦が結婚する、その時までずっと一緒と決めていたのだ。
それなのに見失うなんて。
一生の不覚。

だが、それがいい結果を招いてくれた。

『相手の心を読む』魔法を使う。
この魔法は、ニ種類の使い方がある。
一つは、今現在考えている事を読む。
こっちのパターンは心理戦でもやらない限り役に立つことはないと思う。
相手の思考が分かっても、日常生活では煩わしいことが多いのだ。

もう一つ、こっちが重要だ。

『記憶を読む』

普通に思考を読む場合、あくまで心の表層だけしか読めない。
もっと深く相手の考えを知りたい場合は、心の奥底まで覗く必要がある。
その副次的効果で、相手の記憶が読めるのだ。
もっとも、わかるのは数分だけだが、今はそれで充分。

電波のように飛び交う思考の海を嗅ぎ分け、清彦の思考を探す。
3分ほどで見つけ出した。
…便利すぎる魔法だ。使う時は気をつけよう。

清彦は襲われる直前だったらしい。
一人の少年(多分高校生くらい。それ以上かも知れないが、知りたくもない)が路地裏に無理矢理連れ込み、そのまま頂いてしまうつもりだったらしい。

だが運が悪かったな、少年。
私が来るのがもう少し遅かったら、清彦を堪能できたことだろう。
まあその場合、間違いなく殺していただろうが。

…やっぱり私自身のシコウもおかしくなっているのかもしれない。

でもしょうがない。
こんな魔法を手に入れて、楽しまない方がおかしいじゃない。

とりあえず、清彦を襲えないようにする。
『肉体を少し変え』て、股間だけ女の子にする。それも挿れる瞬間に。

少年の体は、『スカッ』という効果音が聞こそうなくらい大きく動いた。
今まであったものがなくなっていることに気付かない。

気付かれる前に少年の『常識を変え』てしまう。
体は男、股間は女、それが自分の正しい肉体だと。

その瞬間、今度は清彦の股間に自分の股間を擦りつけようとする。
どうやら、性欲自体は男のものらしく、目の前の『女』を犯すことしか考えていない。

ふざけるな、それは私だけがやっていいことだ。

私の知る、全ての魔法を持って、お前の全てを変えてやる。
お前は、そのことにすら気付けない。

この時の私は気付いていなかったが、この時既に私は昨日覚えた魔法を完全に使えるようになっていた。
恐らく、怒りが成長を促したのだろう。
…まあこううまくいくことはもうあるまい。

『女の子に変え』て、肉体を完全に女にさせる。
『思考を変え』て、自分が女であると認識させる。
『常識を変え』て、それが普通であると決定付ける。
『肉体を変え』て、肉体年齢を下げる。清彦より年下になるように。
『常識をさらに変え』て、それが普通であると認識させる。

たった数分前までは10代後半〜20代前半の少年だった。
それが今は中学生くらいの小さな少女。

なかなか可愛く出来上がった。
ふむ…。

お持ち帰りしよう。

『思考を読ん』で、この子が何者か調べる。
どうやら、真田敏明という名前らしい。
住所は…近いな。
こいつバカだ。こんな近くでやったらすぐばれる。
まあおかげで、いい「実験台」を手に入れたわけだ。

この子は私たちの妹にしてしまおう。
名前は亜樹。決定。

その為の準備を始める。
これから何回もやることになる作業。
こいつの家に行き、周辺の住民の『常識を変え』て、「真田家に敏明という息子はいない」と認識させる。
学校とか友人とかが探ってきたら、私のところに来るように差し向ける。

…面倒な作業だ。
だが世界全ての常識を変えるには、まだレベルが足りない。
それにまだまだ「実験台」は必要だろう。
この子に情が移る事もあるだろうし、その前に使い物にならなくなる可能性もある。
ストックも欲しいところ。

…うん、協力者がほしいなぁ。
まあそっちはあてがあるからいいや。

清彦と亜樹の記憶の操作も忘れない。
特に清彦は、襲われたという恐怖感を拭ってあげないとね。

さて、明日からお姉ちゃんたちが可愛がってあげるね、亜樹。
ふたばお姉ちゃんと清彦…いや、樹代お姉ちゃんが、大切に可愛がってあげる。

そう、あなたは「妹」だから…。


樹代の日記:3月8日

今日はわたしが『女の子』として生き始める記念日です。
戸籍等いろいろな問題があるそうで、まだ学校には行けません。
…いや、行く必要あるのでしょうか。
姉さんががんばって学費を捻出していることを知っているので、男だった頃から学校に行くのは少し不満でした。
その間にバイトでもした方が姉さんも楽できますし…。
この件についてはまた相談しようと思います。

今日は姉さんが珍しく外出していきました。
というわけで今日は亜樹ちゃんと留守番です。
二人で家事をしてすごしました。

二人でやっても結構大変でした。
いつも一人で家事をし、仕事もちゃんとやっている姉さんは凄いなぁ。

亜樹ちゃんと二人で話したりもしました。
と言っても話のネタの少ないわたしは聞き役ですが、亜樹ちゃんの日常生活が聞けて楽しかったです。
特に『先輩』との話を聞いていると…なんというか聞いてるこっちも照れちゃうくらい初々しかったです。

でも、亜樹ちゃんがいるのになんで姉さんは「妹が欲しかった」といったのでしょう?

そもそも昨日まで亜樹ちゃんは…。

…まあいいか。
今、幸せなんだから。

さて、この後は姉さんと二人で…。
昨日はとても気持ちよかったです。クセになりそう。
でも、姉さんはこっちを攻めてばっかりだったので、今日はわたしから攻めてみようかな…。
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亜樹の日記:3月8日

ふたばおねえちゃんがお出かけするので、今日は樹代おねえちゃんとおるすばん。
ふたばおねえちゃんがいない間に、二人で家事をすることに。
ボクも樹代おねえちゃんも料理が上手ではないので、今度ふたばおねえちゃんに教えてもらおうと思う。
そうすれば先輩にボクの手作りのお弁当を…わわわ!気が早いって!

樹代おねえちゃんと二人で話すのも随分と久しぶりな気がした。
…あれ?初めてかな?
そんな事ないはずだよね…。

ボクは友達や先輩の話をするのを、樹代おねえちゃんは笑顔で聞いてくれた。
ボク一人で話しっぱなしだったのはどうかと思ったけど、おねえちゃんは「話を聞くのも楽しいものよ」といいながら微笑んでいた。
う〜ん、ボクにはよくわからないなぁ。

帰ってきたふたばおねえちゃんとお風呂。
髪を洗ってもらった。気持ちいい。

またふたばお姉ちゃんの部屋から声が聞こえた。

アノコエハナンナンダロウ…?
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現在やるべきことは4つ。
1.魔法の練習及びその為の実験台集め
とりあえず『透明になる魔法』と『他人に魔法を貸し出す魔法』を覚えた。
今一番欲しいのは『世界の常識を書き換える魔法』だが、これはかなり難しいらしい。
まあゆっくりといこう。

2.樹代と亜樹のアフターケア
とりあえず亜樹には『一般的な思春期の女の子』に近い『思考』を与えているが、これも少しずつ変えていきたいところ。
そして二人の学校だ。
今は行ってなくてもおかしくないようにしてあるが、世間体まで考えると学校には行かせたいところ。
近所の住民全ての常識を書き換えるだけじゃすまない。
誰が見ているかなんて分からない以上、怪しまれる生活はできない。
…私の職業が一番怪しい気もするが、気にしないことにする。
『世界の常識を書き換え』られれば一瞬だが、しばらくはしょうがないだろう。

3.協力者
条件として、私達に手を出さないこと、積極的にがんばってくれること。
その前提で男女二人を選んだ。
連絡をつけ、明日会うことにする。
…一人は私の体を要求するだろから正直嫌なんだが、まあ女の子を提供すれば諦めてくれるだろうからいいか。
もう一人は完全な変態だし、まあ少なくとも私と樹代は安全だ。
亜樹は年齢的にヤバイだろうが、まあ手を出す前に餌を与えてやればおとなしいものだ。

4.身の安全を守る万全の対策
こんな凄いものを持っていると知られれば、色々と煩わしい事にもなりかねない。
これと類似のものがない、とは言い切れない。
私なら同じもの持っているやつがいたら、奪う。
それをさせない手段は用意しなくては。

というわけで、現状この本に関して一番詳しそうな人を「最初の獲物」に選んでみた。
この本を買った書店のお爺さんだ。

まずお爺さんの『思考を読み』ながら、少しずつ少しずつ店に近づく。
どうやら、魔法に対する防衛策とかは持っていなかったらしい。
『記憶を読む』方に移行して見る。

…あ、この爺さん偽者のつもりであの本売ってきたのか。
当てが外れて拍子抜けしたが、少し納得。道理であそこまで値切った状態なのに売ったわけだ。
というか、私が書店をやっていたとしても、この本は売らないで自分で使う。
ま、それでもこっちは向こうの仕入れ金額より安く買ったわけだからそこはどうでもいいんだが。

この本の入手経緯も確認。
どうやら爺さんの知り合いの娘さんから「世界に一冊しかないから」と、高値で買い取らされたらしい。
この知り合いの方をあたればよさそうだね。

…それにしても、私を騙そうとしたのは許せないなぁ。(最初から信用してないけど)
これはお仕置きが必要だね。

入店する。
爺さんはこっちの顔を覚えていないらしい。
まあそれはそれでいいんだけど、癪だなあ。

よし、二度と忘れられないようにしてあげよう。
大丈夫、悪いことばかりじゃないよ。
もう一度人生やり直せると思えばいい。
私の『所有物』としてね。

…悪役っぽい思考になりつつあるが、それも楽しいからいいや。

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ぴちゃ、ぴちゃ。
「や、やめてください、おねぇさまぁ…はぁん!」
「だぁめ。もっともっと気持ちよくしてあげるよ、お姫様」
…最近おかしいな私。樹代を女の子にしてからレズッ気出てきたみたい。
そうなると、あの人のことも否定できなくなるな。
まあいいか。相手は『元男』だし、普通の男は…あんまりいい思い出もないしね。
「そこ、そこやめて!おかしく、おかしくなっちゃうよぅ!」
…いやもう充分おかしいですから。
「大丈夫。おかしくなっても私がいるから…ね?」
…ちょっと自己嫌悪。昔言われたなぁこの言葉。
やっていることはあの時のあの人と同じだよ。
ま、いいか。そういうのも嫌いじゃないし。
ビクッ!と体が反応する。
「――――――――――――!!!」
声にならない声。
まあそうだろうね。

男じゃ耐えられないって聞くし。
しかも枯れてから随分と時間が経っているみたいだし、久しぶりにこれはきついだろうね。

そう、今相手にしているのは例の爺さんだ。

店に入って本を見せる。
すると、私の事を思い出したみたいで、少し慌てている。
にっこりと微笑んでいる。
すると怯えながら「へ、返品はきかんぞ!」と言われた。
ちょっとショック。
てか、私としては偽者のつもりで買ったんだから、わざわざ返品してまで怒らんて。
…それともあれか?
私は本物の魔術書を見つけて、本気で値切って大喜びした頭の暖かい人だと思われてたのか?
…ちょっと腹立つな。
「いえ、むしろお礼ですよ」
そういいながら魔法をかける。
「お姫様♪」

一気に変えるなんてもったいないことはしない。
まずは『体を変え』てあげて、少しずつ少しずつ若返らせてあげる。
「!?体に力が…!?」
いや、流石にそのまま女の子にしても、ねえ?
そして40歳くらいまで若返らせて、ここから一気に変える。
「ちょ、ちょっと、これは、なにがおこっている!?」
まずは小学生くらいまで下げる。
うん、喋りも舌足らずな感じ。
ちっちゃくなった体を抱きかかえる。
そして股間の象さんを触りながら、
「さ、女の子のあそこはどうかな?」
「え!?これ…ええ!?」
ここで股間だけ女の子に。
「どうなって…ああ!」
次に、感覚も女の子にする。それも随分と敏感に。
触るとそれだけでイッちゃうくらいに変えちゃえ。
胸を触ってみる。
「ぁん!…え!?」
ははは!男の胸板なのに女の子みたいに感じちゃう、その気分はどんなものかな!
…ってよく考えたら子供じゃ大して変わんないか。
じゃ、次は顔から首、肩まで女の子に。
これで見た目はショタからロリへ。まだ違和感あるけど。
持参した鏡で顔を見せてあげる。
「…え?この顔、わし?」
…女の子がわし言うなー。
喋り変えちゃえ。
「そうだよ、お・ひ・め・さ・ま♪今日から女の子だよ〜。嬉しいでしょ?」
「う、うれしくなんて、ないわよ…え!?」
驚いてばっかだね。当たり前だけど。
髪が短いから伸ばして、髪質もやわらかくしてみる。
うん、日本人形みたい。お持ち帰りしたいなぁ。
「も、もどしてよぅ、おねえちゃん…」
「だーめ。大丈夫、怖くないから、ね?」
次におなかから足まで女の子に。
お尻を触ってみる。
「きゃん!」
「あらあら、子犬みたいで可愛いわ。でも子犬は要らないのよね」
さて、そろそろ子供から大人にしてあげよう。
このくらいの子供はもう亜樹がいるから必要ないのよね。これ以下はさすがに射程外だし。
まずは中学生くらいまで上げる。
胸は男のままだから、少したくましい胸板。
でも、それ以外は女の子。
「中型犬〜。うん、さっきまでとは違う可愛らしさがあってそそるわね」
「え!?」
もう一度鏡を見せてあげる。
さっきはやや丸っこい感じだけど、今は少し大人びてる。
「でも、女の子にしてはちっちゃいおっぱい」
「ぅぁ!触んないで!やめてよお姉ちゃん!」
「やめると思う?」
と言ったらすこし表情が暗くなった。やめるわきゃないと気付いたらしい。
そして、更に大きくしてあげる。
「大型〜。うわー、美人さんだねぇ。大和撫子、ってやつかな?」
「そ、そんなぁ。も、もう勘弁して…」
「い・や♪」
するわけないですよ、お姫様。
先ほどよりたくましくなった胸板をひたすらさすってあげる。
感覚自体は女の子なので、反応が面白い。
「ひぃ!ひゃ!ひゃぁん!や、やめてぇ!」
「気持ちいい?」
「よ、よくわかんないよぅ」
気持ちいいと判断する。
「もっと気持ちよくしてあげようか?」
「…もっと?」
「そう、今まで感じたどんな感覚よりも気持ちいいよ…どうかな」
そういって自分の胸を揉んでみる。
私はあんまり感じないほうけど、この倒錯的な状況で随分と高まっている。
「ぁん!いい!」
「………」
「あなたも…どう?」
悪魔の囁きに聞こえたことだろう。
理性と欲求の狭間で板ばさみ。
最後の後押し。
あそこを弄る
「!」
「もっと気持ちよくなれるわよ…どうする?」
「………」
言葉による返事はなかったが、トロリとした目をしながら頷いていた。

「こんにちは、お姫様♪」
そう言って、最後に残った胸を女の子に変えた。
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うん、楽しかった!
堅物な古本屋店主が、温和でいやらしい大和撫子風少女になる、いいシチュエーションね。
これ、本のネタになりそうじゃない。

爺さんは今後、行方不明の店主に代わって店を切り盛りする、孫娘の姫子ちゃんになりましたとさ。

新しい「実験台」も手に入った。(しかも趣味の本収集にも使えて便利)
この本の前の持ち主がどこに住んでいるのかもわかった。
こちらはあの人に手伝ってもらった方がいいな。女の子相手だし。

そうして、大満足で帰宅。

二人と一緒に夕食を食べ、亜樹とお風呂に入る。
髪を洗ってあげる。
その際、肩までしかなかった髪を腰まで伸ばしてみる。
姫子ほどじゃないけど、綺麗な髪になった。

二人とも今日の生活で違和感を感じたようだが、まあ問題はない。

さて、今夜も樹代と寝ますか!

…この時、まさか自分が樹代に責められるとは思っていなかったのです。
でも、気持ちよかった…。


樹代の日記:3月9日

女の子の服を着るのに慣れた気がします。
何故あんなにスカートを穿くことに嫌悪感を持っていたのか、もはや自分でもわからないです。
今朝なんて、服を選ぶのが楽しくて…2時間くらい掛かりました。
どうも自分で選ぶと、女の子らしい服を選んでしまうようです。
男の頃の視点が生きているのでしょうか。

今日も亜樹ちゃんと留守番です。
こういうときこそ頑張ってみます。
料理は苦手ですが、できるようになれば姉さんの負担を減らせると思うのでチャレンジしてみようと思います。

…台所が凄いことになりました。
片付けるのが大変でした。
料理自体は…まあ食べられないことはなかったです。
でも率先して食べたいかと言われると…。
…頑張ろう、せめて普通に食べれるものを!

今日は3人でお風呂に入りました。
狭かったけど、楽しかったです。
ただ、お風呂の中で姉さんに胸を揉まれたのは…嬉しいんですけど…恥かしいと言いますか…。
亜樹ちゃん見てますし…。

ああ、体が火照ってる…。
これは姉さんに責任を取ってもらわないと。
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亜樹の日記:3月9日

樹代おねえちゃんがとても可愛い服を着ていた。
凄く似合っていて、ちょっとうらやましいかも。
ボクじゃ、多分ああいう服は似合わないだろうし…。

ふたばおねえちゃんは今日もお出かけ。
その間、樹代おねえちゃんが料理の練習をしていた。

結構時間をかけて出来上がった料理は、見た目は悪かったけどまずくはなかった。
この調子なら樹代おねえちゃんは凄く料理が上手になると思う。
…ボクも頑張ろう。

そして3人でお風呂。
ふたばおねえちゃんが、ボクと樹代おねえちゃんの体を洗ってくれた。
ふたばおねえちゃんの手がクスグッタカッタけど、楽しかった。
樹代おねえちゃんの顔がやけに赤かったけど、ドウシタンダロウ。

そして、今日も声が聞こえた。
ナンデコンナニドキドキスルンダロウ?
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『交換する魔法』を覚えた。
色々と応用できそう。
覚えている魔法が随分と偏っているが、気にしない。
全部使えば凄いことできそうだし。

待ち合わせの場所に着いた。
うん、二人とも遅刻しやがりました。
ええ、わかっていましたとも。
あの二人が時間守るわきゃないってね。

結局30分遅れで一人来た。
メガネをかけた長身の男。名前は長谷川利彦。
職業はカウンセラーらしい。
表向きは患者さんに信頼される、素晴らしい人物。
昔はお世話になったものだ。
ただこの人、一つ致命的な問題がある。
それはロリコンだということ。
私の場合、その方が安心できたからよかったんだけど…カウンセラーとしてどうなんだろうね、この人は。

もう一人もその10分後に来た。
ショートカットの女性。名前は川田すみれ。
現在はどこかの大学の研究生らしい。
前に聞いたんだけど、内容が専門的すぎて全然わからなかった。
この人はレズビアンである。
思えば、この人に色々やられたものだ…。
そのおかげで、あの時の事を引きずらない訳だから、その点は感謝している。
が、納得はいかないんだよなぁ、いまいち。
なんか無駄な技能と変な性癖植えつけられた気がするし。

二人が揃ったところで移動する。
目的地は魔術書の前の持ち主の家。
車で約一時間という微妙な距離にある。
移動しながら、魔法について説明する。
最初は半信半疑だったが、二人の『体を変え』たら信じてくれた。
…運転していた利彦が自分の変化に驚いて事故を起こしそうになったり、すみれさんがせっかくだからと押し倒してきたりしたからすぐに戻したけど。

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…いや、いるところにはいるもんだね、金持ちって。
目の前にあるのはいわゆる豪邸というものだった。
…何で高値で本売りつけてるんだここの人は。
「私には縁がなさそうな場所だ」
思わず呟く。
「僕にもないなぁ」
利彦も呟く。
「あたしもない」
すみれさんも言う。

満場一致で「やりたい放題やる」ことに決定しました。


まず最初に現れたのは、身長180cmくらいの強面のおじさんだった。
多分警備とかやっている人だろう。
かなりいい体している。
スポーツやってりゃ一流選手になれるくらい。
でも、その自慢の体も今日までだけどね。

やっぱりここはギャップがあった方が楽しいよね?
迷わず『女の子にする』魔法をかける。
まず、身長が一気に縮んで、160cmくらいに。
それにあわせて筋肉は衰え、全体的に皮下脂肪に包まれる。
胸が大きくなり、顔も優しげなものになる。
髪が一気に腰まで伸びる。
これで見た目が女性になった。
でも、これだけじゃつまらない。『体も変え』よう。
更に身長が低くなっていく。
それに伴い、一旦大きくなった胸も小さくなっていき、髪も短くなる。
そのうち着ていた服に体が埋まってしまう。
今の身長は約110cm。年齢的に言えば間違いなく子供だ。
肉体も歳相応の、いわゆるぺったんこな体型に。
彼、いや彼女は自分におきた自体を飲み込めていない様子だった。


「も、もうやめてよぅ…」
「嫌だね。君も男なら諦めたらどうだい?あ、今は女の子だっけ」
「お、俺は男…ぁん!や、やめろってばぁ!」
利彦は少女の体を堪能している。

その間に私たちは魔術書の前の持ち主に接触する。
かなり可愛らしいお嬢様だった。
すみれさんが遠慮なくいただきました。

二人とも楽しんでいることだし、私も楽しませてもらおう。

「どうです奥様、自分を抱く感覚というのは」
「ええ、こんな素晴らしいことを体験できるとは想いませんでしたわ!」
「や、やめるんだぁん!こ、こんなことしてぇ、どうするというんだぁ!はぁん!」
「感じながら言っても何の意味もありませんよ、ご主人」
目の前にいるのは、豪邸の主人(大企業の社長らしい)とその奥さん。
二人は今セックスをしている。
傍から見たら、第三者に見られながらセックスしているようにしか見えないだろう。
まさか抱かれている女性の中身が夫で、抱いている方が妻だとは誰も思うまい。

そう、私は『二人の精神を交換』したのだ。
そして夫の体を得た妻をそそのかし、夫を犯すように差し向けてみた。
「ああ、なんて素敵なの私の体は…」
「ええ、あんな大きなお子様がいるとは思えないくらい美しいですよ」
「あら、ふたばさんお上手ね」
「なぁ、なんでそんなに落ち着いて会話してるんだぁ!ぁぁ!ぁん!」
そりゃ、私は他人事ですから。
「よく見るとあなた可愛いわ。是非この体でお相手したいですわ!」
節操ないなぁ。オナニー覚えたサルみたい。
「遠慮します。男にはいい思い出ないので」
「そんなこといわずに、ねえ、どう?」
…私に構うな。頼むから。

そう、仮に樹代や亜樹が男を好きになって、セックスするのは構わない。本人の自由だ。
だが、私が男に体を許すことはもう二度とないだろう。
二度とあんなことされてたまるか。

それでも、妻は引き下がらない。
「絶対気持ちよくするわ!女の子とはよく知っているもの!」
「ぁん!いい!いいよぉ!」
あ、夫堕ちたわ。
「ねえ、あなたも気持ちよく」
「黙れ」
いい加減腹が立ってきた。
ちょっと男の感覚を知ったからって、調子乗りすぎだ。
妻に聞く。
「そんなにいいですか、男は」
「ええ!」
夫に聞く。
「女の感覚はどうですか」
「いい、気持ちいぃ!」
…壊れてません?
まあいいや。

そんなに気に入ったのなら…ずっとそのままでいればいい。
「そんなにいいなら、一生そのままでいてください」
終わったら戻すつもりだったけど、やめた。
記憶の操作もしてやらない。
これからの生涯を、夫として暮らせばいい。
今まで夫がやってきた仕事をやれるものならやってみろ。
私は部屋から出た。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
すみれさんのところに戻ると、お嬢様はすっかりすみれさんの虜になってました。
魔術書の事を聞いてみることにする。

………

・魔術書が間違いなく本物であり、世界に一冊しかないこと(そう伝えられている)
・どこで書かれたのかは不明(彼女の祖父が海外で入手したらしい)
・読める人と読めない人がいる(彼女は読めなかった)
・手放さないと殺すと脅されたから手放した(相手は誰だかわからない)

…う〜ん。
魔術書を狙っている人がいるのはわかったんだけど…それ以外は大した事わからなかったなぁ。
まあいいか。
重要なのは、この本自体が本物で、私が魔法を使えるようになるということだ。



二人とも今後も協力してくれると約束してくれたので本日は解散。

今日はあんまりいい気分じゃないなぁ。
気晴らしに何か、面白いことを…。
そんなことを考えていたら、近くの高校の前に差し掛かった。
あ、そういえばまだ使ってない魔法があったっけ。
ちょうどいいからやってみるかな。


今は5時間目。
今私は『透明になって』教室の中にいた。
中年の古文教師が熱弁を振るっている。
昼ご飯を食べたばかりの若者達が、眠気と戦いながら授業に励んでいる。
教室の中には男子が多い。バランス悪いなぁ。
ま、関係ない話だ。
私は私のやってみたいことをやってみればいい。

窓側の列、一番後ろの席の男子。
先生の言うことは聞いていなさそうな奴が陣取っていた。
さて、まずは『髪を伸ばして』みよう。
肩くらいでいいかな。
少し違和感を感じたようで、髪に手を触れる。
…騒がれても面倒だし、『自分の体に何があっても気にしない』ようになってもらう。
変わっていく反応が見れないのは残念だけど、これはこれで趣がある。
次は…『身長を低く』してみる。
学生服がぶかぶかになるが、本人は気にしちゃいない。
ただつまらなそうに外を眺めている。
…細かくやるより一気にやった方が面白いかな。
というわけで、『女の子に』する。
体が細くなる。
顔つきがやわらかいものになる。
学生服を押し上げ、胸が膨らんでくる。
お尻も大きくなり、内股になる。
後ろから胸を揉んでみる。
「んっ…」
それでも本人は気付かない。
これはこれで面白いかな。
ほかの子にもやっちゃおうか…。

数分後。

教室は異様な状況だった。
男子の学生服を着た女子が沢山いる。
そして、教壇に立つのは…
「ぅん、では、こ、ここは授業に出ますから、ぁん、注意してくださいねぇ、ひゃん!」
スーツ姿で巨乳の女教師だった。
胸の谷間を強調するように胸元を開いている。
なかなかも見ごたえのある胸が出来上がった。
見えないことをいいことに、私は教師や生徒の体を変えていく。
巨乳にしたり、逆に貧乳にしたり。
元からの女子も、胸のサイズから髪の長さまで、色々いじってみる。
一番最初に変えた男など、内面も変えている。
先ほどまで授業など聞く気もなかった不真面目な男子生徒。
それが、今は熱心にノートを取る真面目な女子生徒となった。
服装はまだ学生服だけど。
学生手帳を拝借し、校則を確認してみる。
校則だと髪の長さはこんなものかと、あわせて伸ばしてみる。
とても模範的な生徒が出来上がりました。

うん、こういうのもいいものだ。
これ、戻さないでおいたら大パニックだろうね、当人達以外は。
その方が面白そうだし、そうしようかな。

その後。
他の生徒や教師達は大騒ぎでしたが、当人達にとってその状態が普通なので、何故騒がれているのか理解できません。
病院で検査させられることになった生徒もいましたが、異常は見つからず、教師や保護者の方が疑われたようです。
学校側は困りましたが、どうしようもないのでそのクラスは「元からそうだった」という方向で話をまとめました。
保護者の中には納得できない人も多かったようですが、自分達の力でどうにかできることではないと諭されたようです。
こうして、その高校に女子だけのクラスが生まれました。
なお、例の男子生徒の家では久しぶりに親子の会話が行われたらしいです。

あ、男女比そろえるの忘れてた。
…まあいいか。楽しかったし。

というわけでそのまま帰宅した。
今日は3人でお風呂に入る。
狭い我が家のお風呂だが、だからこそ楽しめる。
樹代と一緒に浴槽に入り、樹代の胸を揉み続けたり、亜樹の髪を洗いながら、髪の色を変えてみたり。

しかし、亜樹が性的なことを理解できないってのもつまらないなぁ。
少しくらい解放しちゃおうかな。
というか亜樹の学校の方が問題か?
学校に行けるようにするだけでなく、「先輩」も用意しないと。
この先輩は男の方がいいな。
嫁に行く妹を送り出す姉、というのも体験したいしね。

それにしても今日はちょっと大胆だったかな。
かなり目立つことをしたから、魔術書狙っている人も気づいてるだろうね。
…面白くなりそうだ。

今夜は私が樹代を攻める。
昨日あんなに気持ちよくしてくれたんだし、私も頑張らないと!



樹代の日記:3月10日

今日は姉さんが家にいたので、料理を教えてもらいました。

やっぱり姉さんは凄い。
女手一つで家庭を支えているだけの事はある。
本当に少しくらい役に立ちたいものです。

午後からはすみれさんが遊びに来ました。
男の頃からの知り合いですが、本当にこの人は女性が好きだと、女性の身になって始めて実感しました。

すみれさんの相手をしていたら、姉さんがいないことに気付きました。
…どこへ行ったのでしょう。

もう夜中なのに帰ってきてません。
すみれさんは「大丈夫だから」と言っていますが…心配です。

後で探しに行ってみようかな。
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亜樹の日記:3月10日

ふたばおねえちゃんが家にいた。
樹代おねえちゃんが料理を教わってた。
ボクはその間、掃除と洗濯をした。
終わった時、ふたばおねえちゃんに褒められた。嬉しい。

午後になって、すみれさんという、ふたばおねえちゃんのお友達が遊びに来た。
この人、ボクと樹代おねえちゃんの体をことあるごとに触ってくる。
最初はなんか嫌だったんだけど、だんだんと不思議な気分になってきた。
すみれさんにそう言うと、「えっちだねぇ」と言われた。
…ヨクワカラナイ。
そう言ったら、すみれさんは微笑みながらボクにいろんなことを教えてくれた。体に。

…初めて知る感覚。
コレガキモチイイッテコト?
ああ、そうなんだ。
なんだか幸せな気分。

そしてすみれさんの恋人にならないかと言われた。
あんなに気持ちいいことしてくれるなら…と思ったとき、先輩の事が頭に浮かんだ。
すみれさんは素敵な人だと思う。
…でも、ボクは先輩が好きなんだよ。
だからお断りした。
すみれさんは残念そうな顔をしたけど、すぐに笑いながら、先輩とボクの事を応援してくれるという。
「駄目だったらお姉さんが慰めてあげるからね」とか言ってた。
諦めてはいないらしい。

そういえば、最近先輩に会ってないなぁ。
ドンナヒトダッケ?
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『世界の常識を書き換える魔法』まであと一歩、って気がする。
…案外早かったかな。

樹代が料理を教えてほしいと言ってきた。
うむ、殊勝な心がけだ。お姉さん嬉しいよ。
とりあえず簡単な料理をいくつか教える。
見た目はまだまだだけど、味は悪くない。
こりゃ教えがいがあるなぁ。

その間に亜樹が掃除と洗濯をしてくれた。
ああ、いい「妹」達に恵まれたなぁ。
私は幸せ者だよ、本当。

というわけで亜樹の頭をなでながら褒める。
ついでに身長を少し縮めてみる。
今の亜樹の姿は、腰まで伸ばした金髪が可愛らしい、一見中学生くらいに見える女の子だ。
マジ可愛い。
樹代、亜樹、姫子、昨日の学生…私が女の子にした娘達はみんな可愛らしい。
さすが私だ。なにがさすがかは知らないけど。

午後になって、すみれさんが遊びに来た。
ちょうどよかったので、すみれさんに樹代と亜樹を任せておこう。
すみれさんに、『体を変える』魔法と『思考を変える』魔法を『貸し出す』。
亜樹に性的な知識を教えるためだ。
私がやるより、女の子を(いろんな意味で)知り尽くしているすみれさんがやるほうがうまくできそうだし。
ただ、『思考を変え』て、自分の虜にしそうな辺りが不安だ。
そう言ったら、「それはあたしの美学に反する!」と怒られた。
…本当か?まあいいけど。
そういえば、この『魔法を貸し出す魔法』を初めて使ったけど、別に貸し出したからといって、私自身が使えなくなるわけじゃないんだね。
貸し出し、といより複製の方が感覚的に近いのかも。

では、すみれさんに二人を任せて、私はケリを付けに行こう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
人通りの少ない道を選んで歩く。
途中、ところどころで「悪戯」をしていく。
といってもあまり大きなことはしない。
通りすがりの女の人の胸を大きくしてみたり、逆に小さくしてみたり。
『性別を変える』のはやめておく。
今必要なのは、相手に気付かれる程度に騒がれること。
それ以上―例えばニュースになっちゃったりすると…困る。
胸のサイズが変わる程度ではそれほど騒がれまい。
少なくとも、性別が変わった人が多数出るよりは。

胸だけだとつまらないので髪も伸ばしてみる。
これは男女関わりなくやる。
伸ばすことに限定するのは、後で切ればいいだけだから。
さすがに女の髪を勝手に短くするのは、同じ女としてやりたくはないし。

相手も、私の存在には既に気付いているはず。
姫子やあのお嬢様、それに昨日の学生達…。
魔術書を狙っているなら、彼らの変化の意味に気付いているはずなのだ。
というか、気付かない相手なら無視していい。
多分私までたどり着かないだろうし。


そして、その時はやってくる。

日はとっくに落ちて、辺りに人気なし。
場所は公園、草むらの中に私はいる。
時期が時期なら、カップルがいちゃついてたり、場合によっては草陰でやることやってるやつらがいたりするかもしれない。
でも今はいない。全員追い出した。
場所を『交換』し、街中に放り出した。
池の中に落とされなかっただけましだと思って欲しい。
…なんでもありだな、『交換する魔法』は。
しかしこれで公園にいることもわかるはずだ。多分。

そんな風に考えていると、一人の男が公園に入ってくる。
『心を読』む。
…狙い通りに来てくれちゃったよ、おい。
一日で見つかるとは思っちゃいなかったのにねぇ。
さて、何故魔術書を狙っているのかも『読んで』みましょうか。

…なにこれ。
私はこんな奴に危機感抱いてたの?
むかつく。

この男の目的。
凄く単純で、それ故に迷惑。
「世界中の男を女にし、自分だけのハーレムを作る」こと。
…なんというか、馬鹿らしい。
自分の事しか考えてない上に、実現はほぼ不可能。
仮に魔術書を使ったとしても、恐らく自分の方が持つまい。
こんな奴のために、私は三日間くらい費やしたわけだ。
…哀しくなってきた。
こんな凄い魔術書狙ってきたのが、こんな小物だなんて。
せめて別の魔術師とかさぁ…。

呆れながら、更に『心を読』む。
なになに?まず私から魔術書を奪う。
その方法はどうする気かねぇ?
方法は…

「私を犯す」
「女なんて、犯して脅しゃなんとでもなる」
「女は男の言うことを聞いていりゃいいんだ」
「魔術書を手に入れたら、まずはこいつの家族から…」

その考えを読んだ瞬間、もう体は動いていた。
男に向かって走り出す。
男は突然現れた私に驚いていたようだが、関係ない。
こいつがどう思っていようが関係ない。
こんなクソ野郎がどう思ってようが、どうなろうが関係ない。
ただ一発ぶん殴る。ぐーで。狙うのは、顎。
不意打ちは、女の力とはいえ充分な威力を発揮してくれた。
倒れている男を見る。意識はあるようだ。
男の股間を全力で踏みつける。
潰れたかもしれないが、関係ないよね。
どうせこれからなくなるんだし。

「ねえ、レイプされる女の気持ちってわかる?ねえ?どれだけ怖いかわかる?どれだけ悔しいかわかる?どれだけ惨めかわかる?わからないよね?そうだろうね。あなたみたいな人にそれが分かるんなら、とっくにこんな事なくなってるしね」
聞いていようが聞いていなかろうが構わない。
どうせ個人的な恨み言だし。
「知ったことじゃないよね?わかるつもりもないよね?どれだけ痛かったか、わかろうともしないよね?どれだけ傷ついたか、理解もできないよね。うん、それでいいよそれでいい」
こいつがレイプについてどう思っていようが、関係ない。

今から全部教えてやるだけだから。

体を少しずつ女に変える。
手、腕、肩、胸、腰、お尻、ふともも、すね、足、それぞれを女として最高のものに仕立て上げる。
胸は大きく、腰は細く、安産型に。
近くにいる男を引き寄せるような、魅力的な体に。
「―――――」
何か言っているようだが、知ったことじゃない。
変わる間も股間を踏み続ける。
股間からは血が出ているが、それも知ったことじゃない。
どうせこれからなくなる部分、先に切り落としたって困らないし。
次に顔。
ただ女にするだけじゃ駄目。
どんなに泣こうが喚こうが、男に媚びているようにしか見えないようにする。
髪は掴みやすいように長くする。
身長を若干縮める。
これで、股間以外は女になった。

いつもならここで股間も女にするところだが…その前に。
「教えてあげるよ。女が侵される気分って言うのを」
そう、あの時私がやられたこと、全部記憶に焼き付けてやる。

今まで何度もやってきた、『思考を変える魔法』の応用。
あの時のことを思い出す。
路地裏に連れ込まれたこと、集団に押し倒されたこと、無理矢理処女を奪われたこと、自慢の髪を引っ張られ、千切られたこと、殴られたこと、傷つけられたこと、何度も何度も中に出されたこと…そして、裸のまま、街中に捨てられたこと。
…耐え難い屈辱。
あの時は世界全てが怖かった。
男も、女も、私に触れる全てが怖かった。
…すみれさんや、利彦、そして―清彦。
皆がいなかったら、今頃死んでいたかもしれない。
そんな記憶。

それを全部、記憶の奥底に焼き付ける。
決して忘れられないくらい、しつこく焼き付ける。
つらい。
でも、やめない。
やめてやるもんか。
こんな、女を人とすら思っていないような奴を、許してやるものか。

だんだん、(さっきまで男だった)女の顔が歪んでいく。
見える表情は、恐怖。
「―――――」
何か言っているようだが、知ったことじゃない。
さあ、完全に女にしてあげよう。
股間を女にする。
これでおしまい。
「―魔女め」
その言葉だけは、はっきりと聞き取れた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あの男(今は女)はあのまま放置しておいた。
もしかしたら、誰かに襲われるかもしれないが、知ったことじゃない。
もう、私達に関わろうとも思うまい。
というか、人間と関わる気も起きないだろう。
あの時の私のように。
もしかしたら、女の快楽に溺れるかも…いや、それはないな。
あれだけ恐怖心を押し付けたら、そんな気も起きないだろう。

…疲れた。
体ではなく、心が。

「ねえさん?」
気がつくと、目の前に樹代がいた。
何も言わず抱きしめる。
「え?ねえさんどうしたの?」
「…魔女って言われた」
「魔女?誰が?」
「私が」
魔法で、他人の人生を変えてしまった自分。
確かに魔女なのかもしれない。

「…誰に言われたか知らないけどさ」
樹代の声。優しい響き。
「姉さんは姉さんだよ。わたしの、大切な姉さん」
「でも…樹代を女にした」
「怒ってない」
「亜樹ちゃんや、姫子ちゃんも…」
「…何のことだかよくわからないけど…もしその二人が怒っていたとしても、わたしは姉さんの味方」
「…私は幸せになっていいのかな?」
「誰が許さなくても、わたしが幸せにする」
樹代の声が心地よい。
「あ」
安心からか、涙がこぼれる。
それを見た樹代は一瞬驚いたようだが、微笑みながら抱き返してくれた。
「大丈夫、大丈夫だよ、姉さん」
うん。
「わたしは、姉さんの傍にいるから」
うん。
「だから、帰ろう」
うん。
「…ありがとう、樹代」
「違うよ、姉さん。帰ってきたときは、ただいま」
「うん、ただいま、樹代」
「おかえり、姉さん」

こうして私は魔女と呼ばれ、だがそれ故に、大事な家族を守り抜いたのだ。



ふたばの日記:3月31日

今日から日記を書こうと思う。
…と思ったけどめんどくさいからやめた。
======================================
「ねえさん、一応作家なんだからさ…」
同じ事しか書いていない日記を読んで、樹代が呆れたように言う。
「…苦手なんだよ、こういうの」
「今時小学生でも書かないよ、こんな内容」
…そうかなぁ。

あれから時間はたち、新しい季節を迎えた。
あの後、『世界の常識を書き換える魔法』を覚えた私は、亜樹ちゃんを学校へと通えるようにした。
樹代も学校に…と思ったが、本人が拒否したのでやめた。
…耳元で「一緒にいたいから学校行きたくない」と、嬉しいことを言われたからではない。
本当だよ?

亜樹ちゃんは今日はデートである。
あの噂の「先輩」とだ。
…最近ずっと先輩と一緒だなぁ。
たまには私達も構って欲しいものだ。
「…わたしじゃ不満ですか?」
「ごめんなさい」
妹にやきもち焼くな、弟よ―って今は妹か。

魔法の実験もまだやっている。
が、今は私自身よりすみれさんや利彦に動いてもらう方が多い。
二人が凄くやる気があり、それと反対にわたしにやる気がなくなっているからだろう。
…目標達成しちゃったしなぁ。

とはいえ、私自身が魔法を使っていないと言うわけではない。
樹代や亜樹ちゃんの髪の毛伸ばしたり、胸の大きさ変えてみたり、通りすがりの人の性別を変えて遊んだり。
…やってること小さいなぁ。
まあいいか。
今、私が…私達が幸せなら。
隣で微笑む樹代を見ながらそう思った。




この話は、僕が初めて書いたTS小説です。
今見ると粗が多いですが、勢いは一番あると思います。


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