『転身の秘儀』の間違った使い方



※このお話は、TS好きがドラゴンズドグマをやるとこういう妄想をするという駄目な例です。いわゆる二次創作です。
 その為、ポーンの感情云々とかそういった基本設定はあえて無視しています。(というかあいつら設定で言われているより明らかに感情豊かだし)
 また書いている人が書いている人なので覚者が変態少女ですが、仕様です。
 以上を踏まえた上で読んでも、毒にも薬にもなりません。

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 いつものように、朝がやってきました。
 今日も覚者様と冒険です。楽しみです。

 我が覚者様は、変わり者です。
 私が覚者様へ従うようになってから、あまり私と話をしようとしません。
 というか、男性と話をしようとしません。
 武器屋や宿屋でやむを得ず会話をしても、その後何故か武器を構えて威嚇したり、体当たりしたりします。
 私も戦闘中に突然持ち上げられ、キメラに投げつけられたことが数回……。あの小さな身体(身長も130cmに満たないようです)で、よく私(170cmくらいでしょうか)を持ち上げるものです。
 もしかして、噂の女盗賊のように、男性が嫌いなのでしょうか。そういえば、あの盗賊に会いに行く際は崖から投げ捨てられた気もします。酷い話です。
 それに私以外のポーンは女性で、私より扱いがいい気がします。
 本当に、男性が嫌いとしか思えないのですが……。

 ……悩んでいても仕方がありません。
 私が男として存在している以上、それをどうにかできるわけがないのですから。
 私は覚者様に従い、支えるだけ。……例え、覚者様に嫌われていようと。

 さて、そろそろ着替えることにしましょう。
 ……なんだか違和感があります。妙に部屋が広いような。体のバランスも、いつもより、身軽なような……。
 まだ寝ぼけているのかもしれませんね。冷たい水で顔を洗うことにしましょう。

 ……ふぅ。
 大分目が覚めました。
 目の前の鏡にも、はっきりと私の姿が映っています。
 目が大きくて、可愛らしい顔で、空色のショートヘアがよく似合う……ん?
 私、こんな顔でしたっけ?
 というか、背、低くなってません?
 それに先ほどから気にはなっていましたが……胸元が、重い、ような。
 ……嫌な予感がします。
 視線を胸に下ろすと……昨日まで存在しなかった、大きな、膨らみ。
 震える手をゆっくりとその膨らみに近づけ……触れると、柔らかい感触が手から、手の触れた感触が胸からそれぞれ伝わってきました。
「ぁんっ!」
 未知の感覚に、思わず声が出てしまいます。
 もう片方の手で股間に触れると……慣れ親しんだ我が分身はそこにはありませんでした。

 間違いありません。
 どういうわけか、朝起きたら私は女性になっていました。それも、可愛い女の子に。

 いったい、どういうことでしょうか。
 そういえば、昨日覚者様が、リムショップで何かを買っていたような……。確か、『転身の秘術』でしたか。
「これを使えばもう一回キャラメイクできるんだってさ!素晴らしいね!」
 とか言っていた気がします。
 きゃらめいくとやらがなんだかよくわかりませんが、この事態は、それが原因なのでしょうか。いえ、それしか考えられません。
 だとすると、原因は覚者様、という事になります。
「あら、可愛くなったじゃない」
 突然後ろから声をかけられました。
 振り返ると、覚者様がいます。いつも不満げにしている顔が、今日は妙に明るい表情です。というか、いつも見下ろしていた顔が同じ高さです。
「うんうん、やっぱり可愛い娘はいいねぇ。マデリンみたいにお姉さんタイプもいいけど、こう、小さい子は素敵だよね。特に胸が大きいとか狙いすぎて私得だね!」
 物凄くハイテンションです。いつもそれくらい明るいと可愛いのに。いや、今はそれどころじゃなくて。
「ま、覚者様、これは……」
「いやね、最初は大きなお兄さんに守ってもらうっていうのもいいかな、って思ったんだけどさ。ほら、私って守られるより守りたいほうじゃない?」
「いや、知りませんよそんなこと!」
「あと、背の高い人間に常時見下ろされるの飽きた。それに男連れ歩いても面白くないし」
 それが本音ですか。
「なにより、割と皆女同士でもいいみたいだしね。王妃様とか王妃様とか王妃様とか」
 ……まあ、あの人同性相手にはっきり好きっていいましたし。
「あとセレナとか」
 ……確かに、それっぽい台詞言いますけど。
「そしてなによりオーフィスお姉さまとか」
 あの人はガチですね。
「というわけで、私自身、大分そういう方向に染まったようなので、せっかくだから女同士を極めようかと思って……つい、やっちゃった♪」
「そんな理由で人の性別変えないでください!」
「まあまあ、落ち着いて」
「落ち着いていられますか!早く戻してください!」
「無理。『転身の秘術』一個しか買えないし。お前、あまり雇われないからリム貯まんなくて、何度も使える『転身の奥義』は買えないし」
「そ、そんな……」
 元に、戻れない?
「いやまあ、戻す気もないんだけどねー。そんなことより……」
 覚者様は道具袋からある物を取り出しました。
「そ、それは……!」
「メイデンキャミソールと、メイデンペティコートと、シルクランジェリー。全部特殊強化済だよ♪」
「……着ろと?」
「お揃いだよ?嫌とは言わせないよ?というか、着替えさせるからじっとしてろ♪」
 ……ああ、何故私はこのような人に仕えなくてはならないのでしょうか。
 我が運命を呪いつつ、私は覚者様の手によってあっという間に着替えさせられてしまいました。

「……うん、似合う」
「……気は済みましたか?」
 うう、こんな露出の多い服を着せられるなんて……。
 なんで覚者様は普段からこの格好でいられるんでしょうか。
「……うん、決めた」
「はい?」
「アッサラームさーん、もう一泊するからベッド使うねー!」
「へ?」
 もう、一泊?冒険は?
 覚者様は怪しい笑みを浮かべながら私に近付いてきます。
 思わず後ずさりをしてしまいますが、すぐに脚へ何かがぶつかりました。
 ……ベッド、です。
「優しく、するからね♪」
 そう言いながら、覚者様が飛び掛ってきました。
「い、いやぁぁぁぁぁ!!!!!」
 その日、私の叫び声が領都中に響き渡ったそうです。



 その後、私が元に戻してもらえたかはご想像にお任せします。








「でもエンディング的には戻っても戻らなくてもオチは同じだよね♪」
「そういうことは言わないでください!


珍しく二次創作です。サイト上に載せるのは初めてですね。
今はキャラメイクできる、主人公が無個性なゲームが大好きです。

あと、TS好きな人は覚者を女性、ポーンを男性にしてエンディング迎えると幸せになれるかもしれません。特にポーンを自分に似せると吉。


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