設定変更装置 3
※今回はいつものTS百合ではないので、注意。
ぜんかいまでのあらすじ。
じじいがびしょうじょだったことになって、まごだったおとうとがいもうとだったことになった。
かがくのちからってすげー。
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鈴は学生である。
学生である以上、学校へ行かねばならない。
『いつものように』制服に着替えて駅へと向かう。
その一連の動作に男であった事実は感じられない。
そして制服の上から白衣を羽織る。
これが男であった頃からの数少ない名残なのかもしれない。
もっとも、もはやその事実を知るのは誰一人いないのだが。
鈴の通う学校は電車で十駅ほど離れた場所にある。
本人的には近場が良かったのだが、「それなりにいい学校に行きなさい」と母親に言われたのでその通りにした(ということになっている)。
いつも通り女性専用車両に乗る。
鈴は女性専用車両が大好きである。
マッチョな男を見ないですむし、運よく可愛い女の子やスタイルのいい美人を見れれば目の保養になるからである。可愛い男の子は見られない事だけが欠点だと鈴は思っていた。
もっとも、そんな美人や美少女を見かけたところで何をするわけでもない。
相手がレズでも大丈夫というわけではないのだから。
そう、(女の子として生きてきたという事になっている鈴にとっての)昨日までは。
今の鈴には、設定変更装置がある。
コレさえあればやりたい放題なのだ。
鈴は車内を見回す。
すると、一人のOLらしき女性が座席に座っているのを見つけた。
顔は薄めの化粧をしていて、それが整った顔を美しく映えさせる。
胸こそ鈴に比べれば小さいが、それでも服の上からでも目立つ大きさである。
身体全体のバランスもよく、モデル並みといっても過言ではない。
タイトスカートから覗く脚はストッキングに包まれていて、セクシーだった。
「……あの人がいいな」
そう呟きながら、その女性へ設定変更装置を向けた。
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変換前:大山 美晴 (25) 女
外 見:美形、スタイル良し、ロングヘア
性 格:真面目
家 族:父、母(ただし現在一人暮らし)
特 徴:パソコン(簡単なマクロ作成くらいまでならできる)
一流企業在籍(誰でも名前くらいは聞いた事のある企業)
男運がない(彼氏いない歴=年齢)
真面目(堅物と思われるレベル)
運動オンチ(逆上がりが出来ないレベル)
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「モテないのかぁ、意外だなぁ」
鈴から見ても美晴は美人の部類に入る。
それなのに今まで男性との付き合いがないのは……。
「ま、そんな事はどうでもいいか」
モテようとモテなかろうと、鈴にとってはどうでもいい事である。
むしろモテないなら遠慮なく頂いてしまって構わないだろう、そう考えていた。
「どうしようかな。レズっ気つけるのはあの娘でやるつもりだし……」
少し考えて、あることを思いつく。
「うまくできるかな?」
特徴の部分に、たった一言だけ追加した。
変更後の情報を見て、思い通りの結果になった事を確認した鈴はにんまりと笑う。
そして、『変換前の記憶』の欄を『あり』にする。
こうする事で、当事者である本人にとっては「返還前が正しい」事になる。社会的にはその記憶こそが間違いとなるのだが。
そこまでの設定を入力し、周りが少し混み始めたことを確認すると、鈴は美晴へと近付いていった。
「おねーさん、隣、失礼しますね」
鈴の声に、美晴は少しだけ美晴の方を見るが、すぐに視線を逸らした。
(さて、装置をおねーさんに……)
そっと装置を美晴に向け、起動する。
装置から光線が出て美晴に当たるが、車内の誰もその事には気付かなかった。
鈴は美晴の様子を伺う。
美晴は自分の身体に起きた『異変』にすぐ気付いた。
スカートの上から股間に触れ、その感触に青ざめた。
少し電車が揺れた。
その揺れに便乗し、鈴は大げさに美晴の方へ身体を寄せる。
「あっ、ごめんなさい」
「あ、う、うん、気にしないでいいわよ」
美晴の声は若干上ずっていた。
鈴はわざとそのままの体勢のまま、美晴の耳元で囁くように尋ねる。
「あの、顔色悪いですけど、大丈夫ですか?」
「いやうん、大丈夫大丈夫」
そう答えるが、表情は強張っていて、いろんな意味で大丈夫には見えない。
「ふぅん?」
鈴は美晴の腕に、胸を押し付けるようにしながらしがみついた。
すると、美晴のスカート――股間の部分が、盛り上がった。
美晴は顔を赤らめながら股間を手で押さえようとするが、片腕を鈴につかまれているのでうまく押さえることはできなかった。
「あれぇ?それ、なんですか?」
そう言いながら鈴は、美晴の股間の隆起へ片手を伸ばす。
そこには固く自己主張する、あってはならないモノが存在した。
「……おねーさん、これ、もしかして、アレかな?」
「えと、あの、その……」
美晴は答える事ができなかった。
当然である。何故ならそれは、『ほんの1分前までは存在すらしなかった器官』なのだから。
本人ですら、その正体が何なのか理解できない。否、理解したくないのかもしれない。
何故ならそれは、女性に存在してはいけないモノなのだから。
「おねーさん。次の駅で降りません?それとも、大きな声出しましょうか?」
美晴に鈴の誘いを断る事はできなかった。
電車から降りた鈴は、美晴と共にトイレの個室へ入る。
スカートを捲り上げられる。そこには、ありえないモノがあった。
「ふふ、おっきーですね。こぉんなにビンビンに勃ってるなんて、凄いなぁ……」
「そ、そんな……なに、これ……」
「あらぁ、おねーさんのお・ち・ん・ち・ん・ですよ?」
ニヤニヤと笑いながら、鈴は美晴へ現実を突きつける。
そう、美晴の股間には本来あるべき女性の象徴が消え失せ、代わりに男性の象徴であるペニスが大きくそそり立っていた。
「おねーさん女の人なのにおちんちんが生えてるんですねー。すごぉい」
「嘘、こんなの、ありえないわよっ!」
「えー、でも」
鈴は美晴のペニスを掴み、ゆっくりと擦る。
「ひゃぅ!」
初めての感覚に美晴は思わず声をあげてしまう。
「ちょっと触られただけで声出しちゃうくらいしっかりと感覚があるのに、ありえないはないですよねー」
笑顔を絶やさず、鈴は美晴のペニスを擦り続ける。
やや拙い動きではあったが、男性特有の感覚に慣れない美晴にとっては、女の子の手で擦られているという事実だけでも十分な快楽を与えられていた。
「こんな立派なおちんちんが生えてて、お○んこもないのにぃ」
鈴はペニスを掴んだまま美晴の顔に自分の顔を近づける。
そしてそのまま、自分の唇を美晴の唇に押し付け、さらに舌を美晴の口内へ侵入させた。
美晴は自分の置かれた状況を理解できないままだが、しかし、その行為に反応したかのようにペニスは更に固くなっていた。
(なんなの、一体!私、どうなっちゃったの!?)
そんな美晴の混乱をよそに、鈴は口付けしたまま空いている方の手で器用に美晴のシャツのボタンを外し、胸元を解放させた。
鈴ほどではないが大きな胸が晒され、揺れた。
それを確認してから、鈴は唇を離した。
「おっぱいはあるんですよねー。ニューハーフさん?」
「ち、ちがっ」
「違いますかぁ。まあ、どーでもいいですけどねー」
鈴は自分も服を脱いだ。さすがにペニスから手を離した。
「おねーさん、どうですかあたしの身体。結構自信あるんですよねー」
「そ、そんなの、興味ない!」
そう答えつつも、美晴の目線は鈴の大きな胸へと注がれていた。
(うぅ、なんで、この娘の胸から目が離せないの!?)
本能的な何かです。多分。
美晴が自分の胸を見ていることを自覚しながら、鈴は美晴の耳元で囁く。
「好きにして、いいですよ?あたし、おねーさんみたいな人も大好きですから」
その声に反応するように、美晴の手が、ゆっくりと鈴の胸へと伸びていった……。
鈴が美晴に行った『設定』は以下の通りである。
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変換後:大山 美晴 (25) 女
外 見:美形、スタイル良し、ロングヘア
性 格:真面目
家 族:父、母(ただし現在一人暮らし)
特 徴:パソコン(簡単なマクロ作成くらいまでならできる)
一流企業在籍(誰でも名前くらいは聞いた事のある企業)
男運がない(彼氏いない歴=年齢)
真面目(堅物と思われるレベル)
運動オンチ(逆上がりが出来ないレベル)
男性器が女性器の変わりについている(でも女性)
変換前の意識:あり
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この変更により、美晴は『ペニスが生えていて、かつ女性器を持たない女性』という矛盾した存在となっていた。
おそらく、シーメールに近い。
先程まで完全な女性だった事を知っているのは、もはや鈴と美晴だけである。
両親や周囲の人間からも「ちんちん生えている女」程度に認識されているようだ。
このような無茶苦茶な設定すら再現してしまう設定変更装置に、鈴は感動を覚えた。
(さすがあたし。ありえないことすらできちゃうなんて、凄いわ!)
ただの自画自賛だった。
「あぁっ、おっきいの、入ってる、入ってるぅ!!」
気付けば美晴は鈴に挿入していた。
(何コレ……駄目なのに、だめなのにっ!なんでこんなに、気持ちいいのっ!)
美晴は絶対に味わうはずのなかった快楽にハマっていた。
もっともっと気持ちよくなりたい。
その一心で、ひたすら腰を振り続けた。
そして、その瞬間は訪れる。
「あっ、あぁっ、あぁ〜〜!!」
こみあげてくるような感覚と共に、美晴は声を上げながら鈴の膣内へ、射精をしてしまった。
(気持ち、よかったぁ……)
美晴は心の中で、初めての快楽を素直に受け止めていた。
満足感に浸りつつ、ぐったりと鈴にのしかかった。
未知の状態に翻弄されたあげくの射精は、美晴の身体にかなりの負担となっていたようだった。
「あ、まだあたしイってないのになぁ。ま、初めてだし仕方ないか」
ちょっと残念そうに呟きながら、鈴は美晴の頭を軽くなでた。
美晴は鈴の胸に顔を埋めながら、気持ちよさそうにしていた。
「次は、あたしも満足させてくださいね♪」
その声に、自然と頷いていた。
もう、気持ちよければなんでもいいや。
この娘が私を気持ちよくしてくれるから、それでいいや。
そんな風に考えながら、美晴は静かに眠り始めた。
なお、声が普通に外へ聞こえていたので、個室から出た後に少々恥ずかしい思いをすることを二人はまだ知らない。
あと二人とも遅刻したのは言うまでもない。
突然女性に生えて、スカート盛り上げる描写は好きです。
わりとノリノリで書いていましたが、よく考えると普通っぽいえちぃのはこれが初めてのような気がします。いや普通ではないですけど。
このシリーズはレズ系以外もやっていくつもりですので、ご注意ください。
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