設定変更装置 1
「ついに完成したぞ!我が最大の発明品、『設定変更装置』が!!」
一人の老人が、薄暗い研究室の中で大声をあげた。
彼の名は才月 年男。64歳の発明家だ。
痩せ衰えた身体と、老人とは思えない迫力を持った強面から「幽霊博士」と近所で恐れられている。
「これさえあれば、世界中を手玉に取れる……ククク、我が才能は本当に恐ろしいのう!」
テレビのリモコンによく似た物を手に持ったまま、年男は高らかに笑った。
だが、ここに一つの誤算があった。
この男、確かに天才的頭脳を持った科学者だが、凄くドジだ。
調味料を使えば塩と砂糖はほぼ確実に間違える。最近は醤油とラー油を間違えることもある。
ガラスコップを持てば必ず割り、道を歩けば何もないところで転ぶ。
車のブレーキを踏もうとしてアクセルを踏み込んでしまった事もあった。それ以来車の運転はしていない。
そんな人生を60年も過ごした彼の性格は少々歪んでいた。
数年前に最愛の妻を亡くしてからはさらに歪みは酷くなった。
自分の人生がこんなズタボロなはずはない。天才の自分には、もっと相応しい人生があるはずだ!
そう信じて、彼はある発明をした。
それが『設定変更装置』である。
この装置は、対象となった物体(生物、無生物は問わない)の設定を変更し、元からそういうモノであったかのようにしてしまう、恐ろしい機械なのだ。
例えば幼女を老人にしたり、蟻を虎に変えたり、街中の裸婦像を本物の女性にしたり……。
便利なことに、元の記憶をあえて残しておくことも出来る。
多少の制限はあるものの、それでもかなり大きな変更を行えてしまう。
この装置を使い、年男は人生をやり直すつもりだった。
だが、再度言おう。彼はドジなのだ。
いつだって肝心な時に失敗を引き起こす、そういう男なのだ。
だから彼は、手を滑らせて装置を落としてしまった。
運の悪い事に、落下の衝撃で装置は一時的な誤作動を起こした。
年男が行おうとしていた設定が書き換わってしまったのだ。
その状態で装置は稼動し、光線を放った――年男に向かって。
はたして、年男は気付いただろうか。自分の運命が、そのたった一つのミスで大きく変わったことに。
唯一の幸運は、年男の願い――ドジな自分をなんとかしたい、人生をやり直したい、という願いが叶ったことであろう。
ただしそれは、ひどく歪んだ形ではあったけれど。
光線が収まると、そこには[先程までと同じように]一人の少女がいるだけであった。
「あれ?あたし……」
少女――才月 鈴は目をぱちくりとさせながら周りを見回す。
やがて、制服のスカートに包まれた脚の近くに装置が落ちていることを確認する。
「あー!」
慌ててしゃがみこみ、装置を拾う。セーラー服の下で大きな胸が揺れた。
装置を動かし、壊れていないことを確認する。
「よかったぁ!遊ぶ前に壊れちゃったらどうしようかと思ったよ」
そう言いながら立ち上がり、装置を近くの机に置く。
「さて、どうしようかな。やっぱり、生意気盛りの弟で実験するのが定番よね?」
かつて「孫」であった少年を思い浮かべつつ、鈴は腕を組む――ように見せかけ、自分の胸を服の上から鷲掴みする。
ゆっくりと指を動かし、手のひら全体でその触り心地を堪能する。
「うん、いつも通りのいいおっぱいだ!あたしの設定を変える必要ないね!」
ニヤニヤ笑いながら、いつの間にか近くに置いてあった手鏡を覗き込む。
「いやぁ、相変わらず美少女だわ、あたし」
うっとりと自分自身に見とれている。
どうやら、鈴はかなりのナルシストであるようだ。
――数分後。
「って、こんなことしてる場合じゃなかった!」
いつの間にか下着姿になっていた鈴は、装置の事を思い出す。
「これを使えば、もっとえちぃくて楽しい遊びが出来るじゃない!」
鈴は脱ぎ散らかしたセーラー服を再び着用し、お気に入りの白衣を羽織って研究室から出ていった。
設定変更装置はわずか0.05秒で変更を終了する。
では、その様子をゆっくりと見てみよう。
まず変化が起きたのは、身長であった。
老人としては長身であった年男の身体が見る見る縮んでいく。
縮まり方は身体の各所で異なるようで、胴体は大きく縮んだが、脚はそれほど縮まっていない。結果、脚が長くなったように見える。
肩幅が狭まり、華奢な感じになっていた。
痩せ衰えていた身体の肉付きが良くなっていく。
ただしそれは決して筋肉質ではなく、とても柔らかそうな皮下脂肪に包まれていた。
やや浅黒く、かつ荒れていた肌が、白くキメ細やかなモノになっていく。
かなり薄かった白髪頭から、黒い髪が伸びていく。
サラサラの髪は、腰まで伸びると後頭部でどこからか現れたリボンによって一纏めにされる。
顔つきもいつの間にか柔らかなものになり、目はキリっとした二重、鼻はすっきりと小さく、唇は瑞々しく鮮やかになっていく。
胸が大きく膨らんでいき、腰は括れ、お尻が大きくなり、脚が内股になっていく。
股間にあった最近では役に立たなくなっていたアレも身体の中に吸い込まれていき、下のほうに別の器官――女性器が形成されていく。
ヨレヨレのズボンの裾が一つになり、だんだん短くなっていき、膝丈くらいのスカートとなる。
薄汚れたシャツは黒く染まり、襟が大きくなっていき、やがてそれはセーラー服になっていた。
穿いていたトランクスも面積を狭め、構成してる素材すら組み変わり、肌触りのいい絹のショーツとなった。
大きく膨らんだ胸を、サイズぴったりなブラが包み込んでいく。
年男の脳内から、『年男』という人生を過ごした記憶が消滅していく。
そして新たに、『鈴』という少女の思い出が脳内に刻み込まれていった。
忘却を感じる事すら許されず――鈴の脳内は『鈴』の記憶と知識だけになっていた。
こうして、一人のえちぃ少女が誕生した。
鈴はこれから、設定変更装置をどのように使っていくのか。
……つづくっ!
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変換前:才月 年男 (64) 男
外 見:長身、細身、強面
性 格:ひねくれもの
家 族:息子、息子の再婚相手、孫
特 徴:天才(オーパーツを作れるレベル)
ドジ(肝心なときに失敗するレベル)
サディズム(重度。他人を甚振らないと気がすまない)
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変換後:才月 鈴 (登場人物の年齢は18歳以上です!) 女
外 見:巨乳、低身長、美少女、くびれ
性 格:明るい
家 族:母、義父、義弟
特 徴:天才(オーパーツを作れるレベル)
バイセクシャル(ただしマッチョは除く)
サディズム(軽度。好きな人に悪戯するようなレベル)
ナルシシズム(重度。自分超好き)
おっぱいフェチ(重度。自分の物から他人の物まで、大きいものから小さいものまで)
おしゃれさん(ただし白衣は譲れない)
変換前の意識:なし
Pixivに投稿したもの。
ありきたりの設定ですが、しばらくお付き合い願えればと。
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